働き方改革で残業規制が始まり、一般社員にとって業務効率化は急務です。
業務効率で一番弊害となるのは、無能な上司でもなく、使えない先輩でもなく、やっぱり”紙・書類(FAX)”です。
- データの手入力
- ファイリング(保管の手間)
- 探す手間(紛失リスク)
なので”紙”を無くす”ペーパレス化”が実現したら、圧倒的な業務効率化ができます。
今回はペーパレス化の準備から実際に紙・書類・FAXを無くす段取りをご紹介します。
目次
ペーパレス化できる書類と、できない書類

会社に溢れている、紙・書類・FAXですが、なんでもかんでもデータ化できるわけではありません。
押印が必須な書類はペーパレス化できません。
(電子押印は除きます)
残念ながら日本はハンコ文化が根強く、先日ハンコを無くす法案が業界団体の猛反対を受けて廃案されたところです。
なので、押印が必須な書類のペーパレス化は難しいです。
しかし、逆に考えてみて下さい。
押印が”必須”な書類はペーパレス化できませんが、押印が”必須ではない”書類はペーパレス化できます。
そもそも押印が必須な書類ってどんなものでしょうか?
- 会社の内部統制上、役職者の承認を意味する押印が必要な書類
- 地方自治体に提出する書類
内部統制上、押印が必要な書類は電子押印を導入しない限り、ペーパレス化は難しいです。地方自治体や銀行に提出する書類も今のところペーパレス化は不可能でしょう。
では、押印が必須ではない書類ってどんなものがあるのでしょうか?
- 部内ルールで惰性で押印している書類
実は惰性で押印している書類って結構あるのです!
私もはじめは、ペーパレス化なんて不可能だと思っていました。
しかし、押印している書類を都度内部統制に確認してみると、押印は特に必要なく、形式的に押印しているだけの書類が山ほど出てきたのです。
なので、まずはFAXや書類に押印が必須かどうか社内で確認をしましょう。
もちろん、元々押印が無い書類はペーパレス化の対象です。
ペーパレス化実現前(書類とFAXの山)

私は全国の事業所から集めた書類を集計する仕事をしていたのですが、文字通りデスクは紙の山でした。
100均で売っているA4のケースを6段*2列ぐらい並べ、難攻不落の城塞みたいになっていました。
ペーパレス化前の書類の流れは以下の通り。
- 全国の事業所から書類(FAX)が本部に提出される
- そのFAXを本部にいる私がエクセルに入力し発注や集計をする
- その結果を、FAXに手書きで記入し、事業所に返信FAXする
- 本部と事業所でそれぞれFAXをファイリングする
どうですかこの圧倒的な手作業感!
無駄しかないですよね。
しかもFAXなので「送った」「届いてない」の水掛け論が日常茶飯事でした。
FAXを送った後にわざわざ電話をすることも…
とても21世紀の仕事の進め方とは思えませんよね。でも、これでも一応一部上場企業なのです…
こんな様子では、海外のGoogleやAmazonに勝てるわけないですよね。
だからペーパレス化が必要なのです。
ペーパレス化の準備(フォーマットとマクロ)

準備と言っても大袈裟なことは何もありません。
- 統一フォーマット(エクセルやワード)の作成
- 提出されたファイルを集計するマクロ
これだけです。
現在、紙やFAXとして生き残っている書類ってパソコンが普及する前に作成されたものもチラホラあったりします。(1マス1桁みたいな)
なので、ペーパレス化を機にフォーマットを刷新します。
次に、提出されたファイルを集計するエクセルのマクロが必要です。(このマクロについては近日ブログで公開予定なので少々お待ちください。)
マクロで提出されたファイルを集計し、そのデータを後工程にも活かします。
そうすることにより、ペーパレス化の効果が2倍にも3倍にもなります。
ペーパレス化と注意点(テスト運用とQ&A作成)

社内の確認も済み、フォーマットの作成が完了したらあとはそれを普段使う人に配布するだけです。
しかし、ここで注意点というかアドバイスがあります。
どういう事かと言うと、ある書類を一斉にペーパレス化した場合、不具合があった場合のリカバリーに膨大な手間がかかってしまいます。
私が初めてペーパレス化をしたのは30以上の事業所で使っていた書類だったのですが、配布したフォーマットに一部不備があり、作り直し&再配布する羽目に…
また、一度にペーパレス化をすると当然ですが問い合わせも一斉に来てしまいます。
なので、ペーパレス化をする前は信頼できる事業所(もしくは人)だけを対象としたテスト運用を実施して、フォーマットに不備が無いかどうかの確認と想定されるQ&Aを事前に準備しておくことを強くオススメします。
ペーパレス化のメリット
データの入力が無くなる
当然ですが紙やFAXで書類を集めるとそれを集計する際、手入力の作業が発生します。
しかし、ペーパレス化によりデータを集められるようになると手入力の必要が無くなり、直接データを加工できるようになります。
また、手入力の際のタイプミスも減らすことができます。
FAXや書類のファイリングが必要ない
山のような書類やFAXをキングジムのファイルに保管する必要が無くなります。あと、書類だと物理的に場所をとるため、定期的に廃棄や倉庫へ移動する必要があります。
データだとファイリングや保管の手間は一切ありません。
FAXや書類を探す手間が無くなる
個人的にはこれが一番メリットに感じました。
紙だとどうしても紛失する場合があります。お目当ての書類を探すために大の大人が何人も集まって机や棚を捜索することも…
データだと欲しい情報を探す手間が一切ありません。
紙大好きお化けとの闘い

ペーパレス化をすると絶対に現れるのが「紙大好きお化け」です。
- 「紙の方がやりやすかった」
- 「データは見にくい」
- 「データを開くのが面倒くさい」
等々の文句を絶対に言ってきます。こういった意見を黙殺するのもいいのですが、私は根が子どもなのでいちいち反論しています。
- 「紙の方がやりやすかった」⇒ 「どうやりやすかったのですか?」
- 「データを開くのが面倒」 ⇒ 「FAXを取りに行く手間と一緒です^^」
- 「データは見にくい」 ⇒ 「具体的にどこが見にくいか教えて」
色んな書類をペーパレス化してきて感じるのは、業務上で紙がデータに勝っている点は1つもありません。
なので、自信をもって、ペーパレス化を進めてください。
まとめ
ペーパレス化は結構エネルギーが必要です。しかし、紙からデータに移行できたら、業務効率は飛躍的に上がります。
私は仕事でいろんなマクロを作成して業務の効率化を進めておりますが、ペーパレス化が一番業務時間を短縮してくれています。
業務効率を上げて、残業時間を減らしたいのであればペーパレス化が一番オススメです。